【インタビュー】高嶋麻企先生(神奈川県横浜市)
2011年05月27日(金)
第19回 高嶋麻企先生(神奈川県横浜市)
「感性を育てるピアノ教室?少子高齢化社会において」
■セミナー激戦区の横浜で・・・
生徒と私を育ててくれるバスティン・メソードに心から感謝しています。そのバスティンを皆さんに知っていただく場を作るために必要な雑用は私が引き受けます!という気持ちで、現在、横浜バスティン研究会の代表を務めています。そして、いつでも「素直」に感動し、何事にも「誠実」であるよう、未来へ向かい「勉強」して行きたいと考えています。
私が初めてバスティンと出会ったのは、ピティナを紹介してくれた友人が送ってくれたコンペティション課題曲の中のバスティン楽譜でした。テキストの愉快な絵、躍動感あふれる、おもしろい響きの曲を早速、小学生の男の子達のレッスンに導入してみました。今までにない雰囲気の曲を、生徒達は楽しんで弾き、直ぐイメージをつかみ暗譜で弾けるようになりました。その後、入室して来た幼稚園児にベーシックスレベル1(今ならパーティー!)を使い、生徒と一緒に新しいテキストを体験&レッスンしながら学んでいきました。(この私のバスティン第1号の生徒は、現在大学生になり、レッスンに通っています。)1990年ピティナに入会し、1992年初めて、バスティンセミナー「一日夏季集中講座」(講師は上総治子先生、宮本聖子先生でした。)に参加しました。その後、横浜のバスティン講座を受講し、それから少しずつ、定期的に開催されている東京教材研究会&バスティン月例講座に参加するようになりました。そして、1999年初めてのバスティン・ツアー参加は、私のバスティン世界を、もう一つ大きな広がりをもたらしてくれました。(このツアーで、池川礼子先生、藤原亜津子先生に初めてお会いしました!)
バスティン・メソードの魅力の一つに、定期的に指導法講座が開催されているという点が挙げられます。そして、バスティンのテキストには、何度見直しても新しい発見があります。
横浜近郊では毎月、数多くのピアノセミナーが開催されています。私が参加しているセミナーは、月に3?5回位です。直感的に興味をひくもののほか、今生徒さんに必要なテーマ、自分の感性を磨くテーマを意識して参加するセミナーを選びます。バスティンに限らず色々なセミナーに参加することで、勉強仲間が広がっていくことも魅力の一つです。最近、バスティン以外のセミナーを勉強していく中で、あっ!これ!パーティーのテキストに織りこめられている等、音楽の大切な要素が パチンとバスティンと符合し、新鮮な感動を体験しています。また、どんな内容のセミナーを受講していても、常に「この内容をバスティンにの中で、どのように使って行こうかな!」と、バスティンと結びつけて楽しく考えている自分がいます。このことは、自分達で開催するセミナー企画にもつながっていきます。
横浜バスティン研究会では、先日、國谷尊之先生をお迎えし「ピアノ名曲集の効果的活用法」セミナー(全4回、四期の奏法と指導法)を主催、終了したばかりです。第4回は3月14日に開催予定でしたが、未曾有の大震災の直後、延期の申出に國谷先生は快く応じてくださり、5月23日開催する事ができました。鎮魂の気持ちを込められて演奏してくださった、ドビュッシー<月の光の降りそそぐ露台>、ショスタコーヴィッチ<プレリュード>は、静かに深く感性に語りかけ、心に潤いと感動を頂きました。國谷先生には、お忙しいスケジュールの中、講座をお引き受け頂きましたこと、改めて感謝申し上げます。
ピアノ指導者の会が主体となって定期的にセミナーを開催するには、協力楽器店の存在が欠かせません。横浜バス研の活動に賛同してくださる、ヤマハ横浜店さんが、勉強会の会場提供を無料でしてくださる等、全面的にバックアップしてくださっています。私達が普段レッスンに注力しつつ、安心してセミナーを開催したり、イベントに参加できるのは、ヤマハ横浜店さん、とりわけ営業の栄谷さんのような支援者があってこそと感謝しています。
おかげで現在、横浜バスティン研究会では、ヤマハ横浜店さんと協力してのバスティンセミナーの他、月1回の勉強会をもつことができます。勉強会ではバスティンのテキスト理解を深めるだけでなく、バスティン以外の講師を招いてのゲスト講座を併用して、新しい風と刺激を受け、マンネリ化しないよう心掛けています。私達の研究会は、いつも間口を広く気軽に参加して頂きたいと考えています。毎月の勉強会には20名程度の先生方が参加されています。随時見学可能ですので、ご興味のある方はどうぞいつでも歓迎いたします。
■少子高齢化社会におけるピアノ教室
横浜バス研では、これまでに、YouTubeオーディションを2回開催しました。参加した実年の生徒さんから、その演奏風景が海外におられるお嫁さん、お孫さんととても良いコミュニケーションになっている、と嬉しい声をいただきました。
今は、「何歳からでも、何歳でもピアノが弾ける、習える」時代です。
私の教室には、横浜市の広報に掲載されたピティナと横浜市の事業「ピアノワークショップ」をきっかけに、実年になってピアノを始められた生徒さん達がいらっしゃいます。バスティン「おとなのピアノ教本」を使った、3か月12回のグループレッスンでしたが、その後もレッスンを続けることを希望されました。「おとなのピアノ教本」はピアノのレッスン、セオリー、テクニック、初見が一冊に入っているテキストです。テキストの進みが早めで、概念をきちんと学び、楽しく好きな曲を弾きたい大人の生徒さんに合っているように感じます。小学校高学年や、中学生からピアノのを始める生徒さんにも有効です。
かつて、このテキストの日本語版化にあたり、チーフの上総治子先生のご指導の下、グループで翻訳に取り組みさせて頂きました。この作業は、バスティン・メソードのテキストを見直す、とても素晴らしい機会になりました。バスティンは一見シンプルですが、プログラムとバスティン先生の思いが大変深いことを知りました。
例えば、導入テキストのパーティー、ベーシックスは全調プログラムですが、真っ白な右脳の持ち主の幼児期は、「感覚」で弾くことに優れているので、早い時期から鍵盤と指の感覚で音の12色の色彩を体験することは楽しく、難しいことではありません。これから何色にでも染まりうる可能性の持ち主である小さい生徒さんには、「感性を育て、いろいろな音色を作っていく」というイメージで、早くから全調を意識して指導を心掛けています。そして、私自身も自分の音の色彩を限定しないように感性を磨き、大きな可能性をの持ち主である生徒の芽を大切に育て行きたいと考えています。
一方、おとなのピアノ教本では、テキストは♯4つ(グループ2の調)までで、全調が出てくるわけではありません。大人の生徒さんの右脳には、活動されて来られた歴史、経験から、すでにそれぞれの感性が備わっています。私は、大人の生徒さんが今お持ちの感性を「使う、さらに引き出す、もっと光らせる、つけ加える」、というイメージでレッスンを行っています。
もちろん大人だからといって、レッスンが甘くなるようなことはありません。子どものレッスンと違うとすれば、アプローチの違いでしょうか。大人の生徒さんには、楽譜の読み方、練習のヒント&プログラム、テクニックを知的に提案し、レッスンで納得した事をご自宅で練習して頂く事にしています。そして、先日ステップのアドバイザーでご一緒させて頂いた深谷直仁先生から、お昼休みに「メカニックとテクニック」のお話を伺い、なる程!と、早速、大人の生徒さん達のレッスンに取り入れました!(深谷先生、有難うございました。)
私は、大人の生徒さんの演奏をもっと子どもの生徒さんに見て欲しい、大人の生徒さんの音に託された想い・感性、そしてヒストリーを感じて聴いて欲しいと思っています。世代を超えた音楽の交流が、少子高齢化社会におけるピアノ教室のひとつの魅力になるのではないでしょうか。
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