【インタビュー】近藤三倭子先生 (愛知県名古屋市)
2010年12月15日(水)
メールニュース巻頭インタビュー
第8回 近藤 三倭子先生(愛知県名古屋市)
「アツコクラブとバスティン・コンクール」
◆初開催!バスティン・コンクール
愛知バスティン研究会代表としてお話させていただきます。
まずは、バスティン・コンクールのご報告をさせていただきたいと思います。2010年2月28日の「バスティン・フォーラム?全国の集い」研究報告にてお知らせ致しましたように、愛知バスティン研究会活動の一環として、PTNA名古屋支部 日響楽器(株)共催のもと、バスティンピアノコンクールを初開催することができました。
10月24日の予選は、研究会会員以外からの参加を含め、140名の子ども達の申し込みがあり、また12月5日の本選には78名の方がすすまれました。
審査員には、藤原亜津子先生をはじめ、江崎光世先生、伊藤仁美先生、塚原利理先生、伊藤みち先生をお迎えしました。
このコンクールは、バスティン先生の理念に基づき、子ども達が「生涯にわたって音楽を愛し、楽しみ続けること」ができるように、
1)バスティンメソードの普及
2)子どもの演奏力の底上げ
3)子どもと指導者の裾野を広げること
4)ピアノ指導者の指導力アップ
この4つの目的を持っています。
競い合うだけでなく、出場に至るまでの子どもの成長過程を大切にしたいと考えており、研究会員だけでなく、ホール提供・運営に惜しみないサポートをくださった、日響楽器池下店の担当者の方も、「バスティン・コンクールを通して子どもを育て、ピティナ・ピアノコンペティションなどのコンクールに子ども達を送り出したい」との、熱い思いを持って開催しました。
演奏するのは課題曲と自由曲の2曲、課題曲はバスティン先生のオリジナル曲、自由曲は東音企画から出版されている楽譜から、と選定しました。
パーティーやベーシックスの中から課題曲を選定したのは、普段のレッスンで弾いている曲にすることで、子ども達が参加しやすくなり、舞台で演奏することで励みになること、また指導者がより深く追求することができるのでは、という目的からでした。
審査員の先生方から、講評だけでなく、指導者にもあたたかいお声をかけていただき、指導者自身が今の自分に満足しないで、レベルアップできる場としてとらえてもらえたのではないかと思います。
本選では27名の子ども達に、優秀賞としてトロフィーが手渡されました。
奨励賞としては、盾をお渡しすることとしました。参加者や指導者が、「参加して良かった」「来年もまた参加したい」と思うようなコンクールを目指して、まずは第一歩を踏み出しました。
◆楽器店との良い協力関係
バスティンコンクール実現に至るまでに、名古屋では1997年から10年間、「アツコクラブ」と題して、藤原亜津子先生をお招きしてパーティー指導法講座が開催されました。毎月1回・年12回のシリーズ講座で、各回80名以上の参加者が集まり、当時このような講座は全国で初めてでした。
日響楽器池下店が開催した、この「アツコクラブ」から愛知、三重、岐阜の三県の受講者が集まってできたのが愛知バスティン研究会です。
愛知バスティン研究会誕生の地であるこの楽器店では、色々な講座が開かれ、指導者が学ぼうと思えばいくらでも学べる環境を作ってくださっています。そして、楽器店の各部署の方皆さんが「先生を育てたい、子どもを育てたい、地域を育てたい」と思いがあふれているように感じます。これは1,2年といった短いスパンでは難しいことで、楽器店の長期にわたる力が必要とされることと思います。
バスティンコンクールが無事実現できたのは、研究会の指導者だけでなく、地域に根ざした楽器店の協力が鍵だったと思います。日曜日にも関わらずコンクール当日、楽器店を全館貸切りにしてくださったことは一例ですが、楽器店の役割に限界を感じさせないのです。
そのため指導者も、どんなことでも相談してみよう、という気持ちになる。楽器店はそれに応えて、自然にバックアップしてくださる。指導者は楽譜や楽器の手配を信頼して任せ、イベント集客をお手伝いする・・・
これは素晴らしい協力関係だと思いませんか?もちろん、このようにつながりが強くなり、良い協力体制に至るまでには、話し合いと理解があってこそです。共に「ものづくり」をするパートナーとして開催した、今回のバスティン・コンクール in 名古屋が、近県、西日本での開催、そして全国に広がっていくことを目標に続けていきたいと思います。
◆藤原亜津子先生と、アツコクラブの仲間と・・・
アツコクラブで共に学んだ先生方の思いが高まり、今回のコンクール実現につながりましたが、コンクールを通して、これまで学んできたことが、実を結びつつあることを実感しました。
先述のとおり、10年にわたる講座を含め、140~150回は藤原亜津子先生においでいただき、のべ1,000名近くの方がお話を伺いました。そして現在は「指導法講座」として85名の先生方が受講しています。亜津子先生から学ばせていただいたことを、自分の生徒の演奏を通して、審査員の亜津子先生に聴いていただける機会となり、研究会員一同、本当に感謝でいっぱいです。
バスティンコンクールを実現させたことについても、「よく井戸を掘って、水を流したわね」とねぎらって下さいました。地域に貢献してこられた亜津子先生だからこそのあたたかいお言葉を、ありがたく、研究会の仲間達と分かち合いました。
このように、指導者が学んだことを子どもに生かすための場としてコンクールをとらえていますので、続けていくことが必要です。
バスティン・コンクールでは、コンセプトをしっかり持って、レベルアップの刺激剤として競争の要素を入れるなど、微調整しながら続けていきたいと思っています。
指導者の皆さん、共にもう一歩、ステップアップ!コンクールに参加してみませんか!
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