【インタビュー】二本柳奈津子先生 (大阪府豊中市)
2010年10月13日(水)
メールニュース巻頭インタビュー
第4回 二本柳 奈津子先生(大阪府豊中市)
◆バスティン・メソード指導法講座の講師をつとめて
元来、人と出会うことが好きなので、講座講師は楽しいです。最近ではツイッター仲間と、講座で初めてお顔を合わせることも有りました。
皆さんのセミナーレポートには、自分では気付かなかったことを書いて下さっていることもあり、勉強になります。講座では、レッスンを撮影したビデオをお見せしていますが、
ビデオ編集は自分のレッスン分析をする機会になります。講座講師になってからは、より客観的に自分のレッスンを見られるようになりました。
私はレッスンを見た方から「気が長い」とよく言われます。
「大阪の人は気が短い」と言われる通り、私も大阪人らしく、気が短い方だと思いますが、おそらく、子どもが理解し定着するまで、手を変え品を変え、何度も繰り返させる指導なので、気が長く見られるのだと思います。
2010年度のピティナ・ピアノコンペティションでは、全国大会に生徒が8名進出、うち幸運にも2名が金賞、2名が銀賞、2名が銅賞、1名がベスト賞を受賞しました。
1994年から同コンクールに生徒を出し始めて17年。初めは予選を通過する子が一人・・・という状況でしたが、今回の結果を受け、バスティン・メソードを使った導入指導の方向性に自信がもてました。
これまで、コンクール、コンサート、セミナーには時間が許す限り、足を運びました。そのうち、良いもの・悪いものを聞きわける耳が育ち、また自分の好きな演奏スタイルが明確になりました。
コンクールに生徒を参加させることで、講評から生徒の現状把握と、問題点改善のためのアプローチ法がわかるようになりました。
講評・アドバイスをもらえるコンクールを上手に活用しています。
◆リフォームとピアノ指導の共通点
今、自宅をリフォームしているのですが、なかなか大がかりなものです。
住みながらの工事ですので、工程を見ていますと、ピアノ指導と共通点があることに気付きました。
新築の場合、今あるものを全て解体し、一から建て直すので工事もスムーズで大変早く綺麗に仕上がります。しかし、リフォームでは、土台がもろければ補強したり、段差やヒビがあればパテで埋めてならしたり、まず下地を均すまでに相当な時間を費します。下地が美しくない状態で仕上げの壁紙を貼ってもガタガタしていて、決して綺麗には仕上がりません。
ピアノレッスンも同様です。
導入期に急がず、丁寧に基礎を作っておけば、仕上げが早く美しく出来て結果的に、長い目で見て後で指導者も楽なのです。
このような指導方針は、レッスンを始める際にご父兄に理解いただくように説明しています。近年ではブログにも書いていますので、新しく教室にいらっしゃる方は、たいていご存知なので助かっています。
とはいえ、現場では色々な子がいます。後から基礎テクニックが身についていないことがわかる場合もあります。その際、バスティン テクニックのプリマーレベルに立ち戻らせ、私が先ず最重要と考えるテクニックの2本柱である、腕の脱力・指先の関節の留め(支え)を確実に習得させます。
その後、ツェルニー30番やブルグミュラーに復帰させると、フレーズ感、音色の変化、左右のバランスなどに効果が出ていることがわかるでしょう。
◆スケールグレード ~ピアノを長く続けさせるために
「自主的にスケール練習をする子どもを作りたい」という願いから、代表をつとめる大阪千里バスティン研究会でスケールグレードを考案し、実施しています。
この検定は、弾けたか弾けなかったか明確に自覚できる為、達成感が得られますので生徒達にとても人気が有ります。何よりテクニックの習得になりますので、普段のレッスンがスムーズになります。
レッスンで「読譜・暗譜・インテンポ」が求められた時代もありましたが、今は、寛容で開かれた雰囲気の中、生徒と信頼関係を築きながら、表現を引き出し、音楽を歌わせる喜びこそピアノの真髄だと私は考えます。
表現の喜びを知っている子ども、音楽が自己表現の手段になっている子どもは、ピアノを弾く事をやめません。そこで、表現したい音を作るためには、「脱力・テクニック」が身についていることが重要です。ですから、レッスンでは「脱力・テクニック」にこそ、時間をかけたいのです。
レッスン以外の時間で、自宅で練習目標を持って取り組めるようにスケールグレードを考案しました。
スケールグレードは、2009年から2か月に1度の開催で、すでに9回を数えました。毎回約90名の生徒が参加しています。35名のバスティン研究会員がローテーションで審査、運営を行っています。
大阪千里バスティン研究会は定員制で、実に熱心な先生方ばかりで私も驚かされます。たくさんの方にご参加いただきたいですが、定員制にすることで、所属意識が強まり、結束が固まりました。
もともと、私はバスティン研究会in大阪中央に所属していましたが、藤原亜津子先生の講座が千里で開催されたことから、千里バスティン研究会立ち上げに至りました。
◆少子化の時代、導入指導を担う先生方へ
生徒募集に関しては、最近ではブログをご覧になって問合せ下さる方が圧倒的に多いです。発表会を見にいらして連絡を下さる方もいらっしゃいます。
私は「響き」にこだわるレッスンをしたいと思っていますので、入会の際、ピアノをお持ちでない方、電子楽器の方はお断りしています。問合せ下さった方には、私がお引き受けできなくても、バスティン研究会の先生をご紹介しています。研究会のホームページにも、所属会員の先生紹介コーナーがあります。
教室の生徒が減ってしまうと、講座に出かける元気もなくなってしまいますよね。でも少子化の時代であっても、バス研の中でも魅力的でパワフルな先生には、生徒がたくさん集まっています。
ピアノ教室には、小6位になると次々にやめていく「悪い循環」、生徒が長くピアノを続ける「良い循環」が有ると思います。
良い循環の教室では、毎年開催される発表会に大きい年齢の生徒が出演て低学年の生徒の憧れになったり、生徒がたくさんステージをふめるように工夫がしてあったりします。結局、読譜力と表現力、それらを支えるテクニックが身についていると、忙しくても短時間でピアノが弾けるため、長続きします。
バスティン・ベーシックスが終わったところで燃え尽きないで、名曲につなげられるかが、忙しい現代の子ども達がピアノを続けるかどうかの分かれ目です。
導入期できっちり土台を作り、音楽が生涯の友になる生徒を育てるために、導入指導を担う先生方、どうぞ一緒に頑張りましょう!
コンテンツ一覧
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