【開催レポート】「夏期集中講座2015」
2015年08月10日(月)
2015年8月8日(土)、9日(日)に、東京巣鴨の東音ホールにて、毎年恒例の「バスティン夏期集中講座」が行われました。今回はベーシックス。今年の講師は宇都宮バスティン研究会の先生方でした。充実した、熱い2日間の様子を、一部紹介いたします!
バスティン講座が初めての方やバスティンメソードにご興味をお持ちのフレッシュな先生方に多く集まっていただきました。
宇都宮バスティン研究会の担当講師も詳しい資料を用意してくださり、緊張感あるスタートでしたが、次第に充実の内容に皆様興味津津に聞き入っていらっしゃいました。
1日目の午前中は、「ベーシックスセオリープリマー~レベル2」までの内容。
宇都宮バス研では、「わかって弾ける」子に育てるために、音楽の決まりごとを学ぶ「セオリー」を「ピアノ」のテキストより先行させてレッスンを展開している先生が多いということでした。
セオリーをレベル毎ではなく、要素ごとに(1)読譜 (2)リズム (3)調 (4)創作 (5)楽語と分類し、縦割りで実践を交えて詳しくご説明頂くという新しいスタイルに、はじめて夏期集中講座に参加される先生方も2度目以降の先生方もドキドキわくわく、といったご様子。
初日はベーシックスに入る前の導入部分をまとめたあと、「読譜」からはじまり、「リズム」、「調」へとすすみました。
「せん」と「かん」の認識では、ジェスチャーで顔を音符にみたてて顔の真ん中を通るポーズ(アイーン笑)が「せん」顔を両腕で挟むのが「かん」・・・というように体で表してあげると小さい子供にも効果的!という具体的なご提案をはじめ、様々なオリジナルのレッスングッズや、バスティンのフラッシュカード、シールを貼ったり線を引いたりするバスティン副教材などを使って生徒の理解を促し、飽きさせない楽しいレッスンの提案が盛りだくさんでした。
「リズム」では特にからだ全体でリズムを感じたり、複雑なリズムも簡単に自分の中にとりこめる「言葉あそび」などのご紹介がありました。
「調」では全調を学ぶ第一段階として、12調を4つのグループにわけ、5指ポジションを効果的に学ばせる方法の提案や、調号・スケール・主要三和音と転回形の指導の仕方など
いま初歩のレベルの時に学んでいることが、のちにどこへつながっていくのかがわかるような構成になっていました。
例えばマイナーコードでは、「バスティンはまず、耳で響きを体験させて、その後に概念を学ぶ。ということを前提としてください」とお話がありましたが、こうして指導者が縦割りで学んでおくと、まずは細かい理論がわからなくてもレベルをすすめていくうちに、内容が追い付いてくることをわかって指導できるので、「小さい生徒にはまだ難しいかしら?」と思うことも、
制限なくどんどん体験させて「音楽を感じる耳」を育てることができます。
受講されている先生方をAからFまでにグループ分けをして、内容の説明の直後にグループレッスンの実践を行うので、ご参加の先生も具体的な動きを体験し、すぐにレッスンに活かせそう!と喜んでいらっしゃいました。
大譜表シート、鍵盤シート、3ノーツカード、リズムカード、ポジションカードを使ってのグループレッスンの方法のご紹介もあり、グループレッスンの有用性をあらためて実感された先生も少なくなかったようです。
午後はベーシックスピアノのプリマーからレベル2までをレクチャー。色々なグッズを紹介したり、それぞれの曲でどこに焦点をおいてレッスンすればよいか、1つずつ丁寧にお話してくださいました。
特に呼吸や脱力、指の重心移動などは、ゆたかな演奏表現につなげるためのテクニック練習として、演奏と切り離さず常に一体化させて指導することが重要です、という言葉が強く印象に残りました。
シンプルな曲がすてきな連弾の伴奏で、すばらしく変化する様子も目の当たりにし、アンサンブルを指導にとりいれる提案にも説得力が増します。
1日目の終わりには懇親会。全国から集った先生方同士、色々とご意見などを交換できる場です。宇都宮バスティン研究会の先生方、東音企画スタッフ、そして今回ご参加いただいた先生方お一人ずつ自己紹介をしていただきました。
1日目が終わり、「目からウロコなことがいっぱい!」と感動していらっしゃる先生方がたくさん!
この日、小倉先生によるQ&Aもありました。
Q1 、年少さん(3~4歳くらい)の生徒さんにどのようにレガートを教えますか?
A1、レガートは脱力していなければ絶対にできないものなので、まずはいい手の形を作ることから始めます。力が抜けていたら、スッと音がひびきます。その感覚をこの年令のお子さんから身につけさせるのです。脱力を教えてから、指の重心移動を教えます。すると、自然とレガートになるのです。力が入っているとどうしても音がきれます。
Q2、「ミ♭と書いてあるけれど、レ#じゃだめなの?」と4~5歳の生徒さんに聞かれた時に、なんて答えればいいのでしょうか?
A2、柔らかい響き(♭系の調)、明るい響き(#系の調)の違いを常に聴かせて、違いがわかるようにさせておくことが重要です。すると♭と#の音色の違いが、すんなりと入ってくると思います。
渡辺先生:「みんなも苗字で呼ばれることもあれば、名前で呼ばれることもあるよね?それと同じだよ」と教えると、すんなり子供は受け入れることが多いです。生徒自身のことに置き換えてあげると理解しやすいようです。
Q3、手首ジャンプ、キツツキスタッカート、ビーズスタッカートの違いをもう一度教えて下さい。
A3、
・手首ジャンプ:足を立ててつま先を床につけたままジャンプするように。腕のお見で跳ね上がります。指先は鍵盤に近い状態です。脱力ができていることが重要です。
・キツツキスタッカート:手首を支店として、そこを動かさずに上半分だけ上げるスタッカート。腕は使いません。これも脱力が大切。
・ビーズスタッカート:手首を安定させてレガートを弾きます。その形で、指先だけスタッカートをします。ビーズが連なっているようなイメージです。
2日目、この日はレベル3、4を中心とした内容でした。
やはり、セオリーが重要!とのことで、はじめにお話がありました。
まず、読譜の「3ノーツリズム」は、3ノーツの音を、「引いたカードのリズム」で弾きます。組み合わせで弾いていくので、数こなしに最適です。
そして、かなり高度な「フリップノーツ」(1小節づつのメロディーが書かれたカードをめくりながら生徒が順番に交代しながら弾くもの)まであり、初めて体験された先生も少し戸惑いながら・・
でも、とても楽しんで体験していらっしゃいました。
初見では、「シールノート初見」「A LINE A DAY」「初見の練習」などの
ご紹介がありました。宿題にして、レッスンの時にチェック欄でその子の力を確認できます。
また、「近親調」ならぬ、「近親町」でみな6歳違いの住人にみたてた平行調、同主調の学習もとても興味深かったです。こちらは、東京バスティン研究会のお講座で紹介があったものに感動して是非!と、すぐに取り入れたそうです。
そのほか、「ミュージカルスプーンゲーム」「全調穴埋め問題」の
方法をお聞きすることが出来ました。
やはり、「耳からの響きを感じる」と共に「セオリーも重視」のレッスン展開です。
その後ピアノのレベル3、レベル4のお話、と続きます。
この日もたくさんのレッスンアイディアが飛び出しました。先生方も「うんうん」とうなずいて真剣に聞き入っていました。
お昼休みにはバーゲン楽譜セール。たくさんの楽譜をお買い求めいただきました。
少し緊張していた1日目の最初とは打って代わり、2日目の休憩時間には談笑する場面が多く見られました。
講座の最後は小倉郁子先生によるレクチャー。
2日間の総まとめとして、バスティンとはどのような教材なのか、導入期の生徒に何を教えればよいのかを、概観下さいました。
2日間を終えて、最後に全員修了証を受け取り、記念撮影。皆さんにこやかな笑顔で2日間を終えました。 今回講師を努めて下さった6名の先生方、陰ながら支えて下さった宇都宮バスティン研究会の先生方、ありがとうございました!
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