【開催レポート】第2回バスティンピアノ編曲コンテスト
2013年05月22日(水)
2013年5月19日(日)、東音ホール(東京都豊島区)にて、第2回バスティンピアノ編曲コンテストの公開審査が行われました。 ⇒入賞作品発表はこちら(演奏動画、公開中!) バスティンでピアノレッスンをされる先生方に楽しく、よりフレキシブルに、バスティンを使っていただきたいという願いで第2回の開催が終了した、バスティンピアノ編曲コンテスト。連弾・ソロ部門で計14作品がエントリーされ、各自5分間の持ち時間で、編曲のプレゼンテーション+演奏が、なごやかな雰囲気の中、披露されました。「曲が弾けたごほうびに、曲理解を促すために、発表会用に・・・」などなど様々な目的で日頃のレッスンでアレンジされている先生にスポットライトを当てたこの企画は、「指導目的での活用」という観点から審査されます。連弾・ソロそれぞれの部門で1-3位が選ばれ、これら優秀作品はミュッセ(ピティナオンデマンド楽譜出版システム)で出版します(8月上旬頃予定)。多くの編曲作品をミュッセでバスティン連弾アレンジを多数出版されている安倍美穂先生、ならびにアンサンブル指導経験豊富の江崎光世先生が審査員を務められ、甲乙つけがたい力作に耳を傾けられました。遠く鹿児島県、福島県からのご参加もありました。 審査は、2度の本人演奏で行われます。一回目はプレゼン+演奏、二回目は原曲+編曲の演奏と審査員からの講評です。ただ編曲を競うだけに終始せず、お互いの作品の良さを認め合い、審査員のコメントを通じて学び合うイベントとなり、参加者から「コンテストというより、編曲の勉強会といった雰囲気でした。審査を待つ間、和気あいあいとした交流会もあって貴重な機会になりました」との声も寄せられました。 約20分の審査会議を経て、入賞者が発表されました。急きょ、審査員特別賞「先生が楽しめましたで賞」(賞金1万円・ミュッセ出版なし)が設けられるなど、力作ぞろいに審査は難航した様子がうかがえました。審査員の安倍先生から表彰状の授与、ならびに全体の講評があり、指導現場で編曲や即興、作曲にたずさわっておられる方々に、益々の活動を期待するとエールを送られ、閉会しました。
第3回バスティンピアノ編曲コンテスト、2014年2月9日(日)開催決定!
要項は当バスティンホームページで発表(2013年7月頃予定)。
これに向け、安倍美穂先生による即興&編曲ワークショップが開催されます。少人数性でレッスンに役立つ内容です。⇒ワークショップ詳細はこちら第3回も、たくさんのご参加をお待ちしています!
■入賞作品発表と演奏動画 ゴージャスソロ部門 ◆第1位:高間はるみさん 原曲:アクロバット (ピアノベーシックス レベル4) アピールポイント:この「アクロバット」はサーカスでの曲芸を思わせる、とても楽しい曲です。テキストには、ピエロに扮した象と鼠がシーソーで飛び跳ねている挿絵があります。そこで「アクロバット・スーパー」と題して、原曲の曲芸レベルを上げてウキウキ感とスリル感を取り入れた編曲にしました。テキスト4巻まで進んだ生徒さんにとって、原曲は少々易しいと感じていましたので、冒険心をくすぐる仕掛けを盛り込みました。生徒さんがこの編曲で練習しているうちに、指の独立や広い音域、半音効果、修飾音、幅広い表現力などが身についたら、望外の嬉しさです。
◆第2位:加藤千恵さん 原曲:蒸気機関車(ピアノベーシックス レベル2) アピールポイント:こどもがウキウキする、原曲の左手の動きを生かし、まず 頑張る機関車の躍動感を表現しました。レッスンにおいて、"汽笛の音だね" "プシューっと車輪のそばから蒸気が出たね" "坂道かな?ちょっと大変そうね" ...とイメージを膨らませてもらえる様に工夫しました。はぎれのよいスタッカートを目指して楽しく練習してほしいと思います。中間部は機関車だけが知っている、お客さんのさまざまな「想い」を表現しました。原曲のテーマがたくさん聴こえてきます。心を傾けて演奏し、小さくてもよく響く音を出す意識をもってほしいと思います。曲を通し、4度の音程をふんだんに使っています。4度の連続が作りだす独特の響きも感じてもらうことが出来ると思います。
◆第3位:今井大空さん 原曲:スペインのギター(ピアノベーシックス レベル4) アピールポイント:原曲よりも、よりスペインらしく、まるでギターを奏でているかのように、情熱的に、とびきりゴージャスに仕上げてみました。
連弾部門 ◆第1位:天野まり子さん 原曲:ペルシャの市場(ピアノベーシックス レベル1) アピールポイント:発表会に生徒が二人で弾くために編曲しました。「カノン」が体験できます。セコンドパートの生徒にも、最初は原曲の楽譜を弾かせます。4つの和音は両手の2、3の指で弾くと良い響きが出せます。
◆第2位:江尻あおいさん 原曲:幸せな魔女(バスティン先生のお気に入り レベル1) アピールポイント:雲の上で幸せに楽しく暮らしている魔女が地上に降りてきて、落ち込んでいる人々に元気と勇気を与えることをアピールして作曲しました。
◆第3位:赤松靖子さん 原曲:歓びの歌(バスティン・クラシックメロディ レベル1) アピールポイント:いつものレッスンが、今日は一味違うね!と思ってもらえるような「しかけ」を時々用意することで、子供たちの目が輝く瞬間を大切にしています。今回のアレンジも、発表会のファミリーアンサンブルでボサノバがすっかりお気に入りになった生徒さんに、もう一度経験をさせてあげたいと思いアレンジしました。2コーラス目はセッション風にソロを私が弾き、その間、あのボサノバ独特のリズムを刻んでもらってボサノバ名人になってもらいました。この部分、今回は打楽器を使いましたが、手拍子で、先生のソロに合わせて生徒さんが自由にリズムを楽しむのが一番ではないかとも思います。ボサノバのゆったりとしたノリ、その裏に流れる8ビートの刻み、先生もソロにチャレンジ!いろいろ楽しめます♪
◇審査員特別賞:小林弘和さん(連弾部門) 原曲:マクドナルドおじさんのロック(ピアノベーシックス レベル2) アピールポイント:ロックと題した曲が沢山ありますが、その中で誰もが知ってそうなこの曲を取り上げました。歌詞に「エレキギター」がありましたのでギターメインのハードロック調にしました。 イラストがなんとも楽しそうなセッションなので、ライヴ風に工夫しました。それにより、やや長いですがギターをかき鳴らすイントロから始まります。Secondoに所々ある16分音符は、ライヴで即興の切れ味を表現しました。スケールは観客とのやり取りのように、secondoをブレイクさせてみました。 締めにはprimoにも音を弾かせたかったのですが、あくまで原曲の演奏部分には音を足さないことを課したので、代わりにバンドボーカルのような締める動きをしたら面白いです。原曲にリピートがありませんが、普段は間奏をいれつつ繰り返し演奏しています。学習のねらいは、速いテンポでのブレイク時にきちっとスケールや和音のキメが決められるか、4拍子をしっかり感じた上でスラーをまとめられるか、等です。ただ本音は、ライヴなので、いかに「聴いている人を楽しませられる」演奏をすることだと思います。
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